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2019/10/04 00:00


長男は、健常児と自閉症児の混合教育を特色とした中学校に通っていて、定期的に発行される「学校通信」の校長先生のコラムは、毎回はっとさせられる気付きがあって、いつも楽しみにしています。

最新号では、先生が夏休み中、あるお店で体験したエピソードについて書かれていました。
要約してご紹介するとこんな感じです。

「お一人様ひとつ」のルールで列に並んでいたところ、
後ろにならんでいた障害のあるお子さんが「2つお願いします」と言った。
その時、店員さんは一度はルールを説明したものの、
「どうしても2つ食べたい」と返答するその子の反応をみて、
笑顔でその子に2つ手渡した。
そのとき、「ルールを守れ」とか「なぜ親が付き添わないのか」と、
怒り出す人はまわりに誰もいなかったそうで、
なんとも温かい光景だった、と。

このエピソードを聞いて、みなさんはどう思ったでしょうか。

校長先生は、こう問いかけます。

決められたるールは守る必要はあって、社会生活を送る上で大切なことなのですが、道徳心の強い日本人はかなり厳しい目で人を見ていないでしょうか。このような臨機応援の対応を許さないような風潮があると、とくに障がいの子をもつ家族は世間体や人目を気にするようになり、人に迷惑をかけないように必死になります。さらにこうした考えと生き方は、同じようにできなければいけないという強迫観念を持つようになり、子育てにおいては「皆と一緒」と普通であることを求めるようになると思うのです。

先生は、「共生」という文脈でこのエピソードあげていたのですが、これは、障がいあるなしに限らず、あてはまることだなあと私は思いました。

「個性を大事に」とか「みんなちがっていい」とか「これからの社会は人と違う解答、解決策をもつことが大切」と心から思っていながらも、どこかでほかの子と比べてできない我が子にイライラしたり、怒ったりしてしまっていた最近の自分に気づき、深く反省しました。

子どもが大きくなって、お世話という意味で手がかからなくなってきたけれども、
どんな声がけやサポートをしたら、子どもたちが自分の強みや自分らしさを発揮して、強く生き、自分らしい人生を切り開いていけるのかなあと、子育ては答えのない考えるべきことが次々に出てくるなあと、いろいろ考えをめぐらせている今日このごろです。

みなさんは、心おおらかに子育て楽しめているでしょうか?

 

※「みんなちがって、みんないい」って誰の言葉だったかなあと調べてみたら、金子みすず(1903-1929)の詩でした。 息子が、夏休みの宿題で、日本の作家について調べる宿題をやっていて、金子みすずを選んでいたのが「?」だったのですが、偶然にもシンクロしててちょっとびっくり。


Text by 店長 小野梨奈