2019/05/31 00:00
こんにちは。店長のオノリナです。
これから、24rhythmオリジナル製品第1号 牛レザーキャリーケースの製作の裏側を少しずつ書いていきたいと思います。
カレイドスタイルが、初めてものづくりにチャレンジしたのは、2016年のこと。「3WAYで使えるビジネスクラッチ RizClutch」を製作し、販売していました。
その後、2017年夏頃から、女性にラクして美しく!を届ける「ラク美プロジェクト」に参加させていただき、初のクラウドファンディングや百貨店での期間限定ショップ開催という、立ち上げ1年目のブランドとしては夢のような機会に恵まれ、本当にたくさんのことを学び、考えるきっかけをいただきました。
怒涛のポップアップキャラバンが終わり、若干燃え尽きたあと、改めて湧き上がってきたのは、「モノづくり」と「物販」にもっと真剣に向き合いたい、という気持ちでした。これまで、コンテンツや情報という形のないものを扱う仕事をしてきたので、「モノ」があるビジネスのおもしろさ、難しさをもっと攻略したいという気持ちがあったかもしれないです。
メインであるWeb事業と、どうエネルギーと収入のバランスをとっていこうか模索しながらも、なにかきっかけがつかめないかと思い、「ファッション ワールド 東京」向かいました。そこで出会ったのが、インドの革製品メーカー「ルメンス・インド」のバガリア夫妻でした。
Meenakshiさん(左)とRomitさん(右)
ルメンス・インドは、インド東海岸のコルカタにある同族経営の革製品メーカー。1982年にRomitさんの祖父が創業し、Romitさんが3代目となります。
創業から、ヨーロッパの自動車工場向けの手袋やエプロンなど革製の作業着や革を販売していましたが、2011年、Romitさんが父親から会社の経営を引き継ぎ、2016年からは、鞄や財布などのファッション革小物製品の製造もスタートしました。
現在は、ヨーロッパをはじめ、アジアではマレーシア、日本などにクライアントを持ち、上質な革製品を世に送り出しています。
9万平方メートルを超える近代的な工場を持つルメンス・インド。原材料の購入からなめし、染色、加工、デザイン、縫製、商品の出荷、研究までを1箇所で行える体制を整えています。
なめし工程で使用される大きな樽
革の扱いに慣れた熟練した職人たちが、デザイン性と耐久性を両立させた製品作りに取り組んでいます。
大学卒業後、銀行員として勤めていたRomitさん。家業を継ぐと決めてから約3年かけて、皮革の扱い方から加工、染色までをゼロから徹底的に学び、技術を身につけたのだそうです。
そして、パートナーのMeenakshiさんは、主にデザインを担当しています。
結婚前は小学校の教員だったMeenakshiさんは、2人のお子さんの出産を経て、ルメンス・インドの経営に参画するように。母親がデザイナーで、両親はインドの伝統的な刺繍を施したウエディングドレスを海外向けに販売する事業を営んでいたこともあり、子どもの頃からデザインや縫製、モノづくりに触れながら過ごしてきた経験が、デザインのインスピレーションになっているとのこと。展示会に持参していたサンプルの革バッグ製品すべてのデザイン監修をMeenakshiさんが手がけています。
現在、工場の従業員は200名程度で、そのうち、女性従業員は20%。
「女性従業員の比率をもっと上げていきたい」とMeenakshiさんはいいます。
というのも、ルメンス・インドがある工場は、コルカタから20km離れた「Kolkata Leather Complex」と呼ばれる皮革産業の集積地域にあり、そこへ通う安全な交通手段がないため、女性たちが街を出て働けないということでした。また、インドでは、子どもが多く、昼過ぎには学校から帰ってきてしまうので、女性は家の中でできる内職的な仕事をするのが一般的なのだそうです。
Meenakshiさんは、午後は親戚に子どもたちの面倒を見てもらいながら、片道約1時間かけて工場に通勤しているそうです。「工場内に学校を作れば、私が教えることができる。女性たちが、安心して子どもを学校に通わせながら働ける環境を整え、家の外で働く女性を増やしていきたい。そのためにも、事業を大きくしていきたい」と夢を熱く語っていました。
商品のクオリティの高さと、Meenakshiさんの思いに共感し、今回、お取引をスタートすることに。英語にあまり自信はないものの、国境を超えて仕事をするという夢の実現に向けたチャレンジがはじまりました。
キャリーケースの開発秘話は、次回に続きます。
(取材協力:メガリスITアライアンス)